トルコ統一選挙のまとめ

トルコ統一選挙前の出来事
アメリカとの牧師問題が落ち着き、しばらく20円台に定着していたトルコリラですが
3/31の統一地方選の前にやや荒い動きを見せました。
統一地方選でエルドアン大統領率いる与党AKPが勝利すればイベント通過&リスク減退によるトルコリラ買い、敗北すれば政権混乱によるトルコリラ売りと大方の予想がされていました。
選挙前のリスク回避のリラ売りを阻止するためエルドアン大統領がトルコ国内銀行に圧力をかけたことにより、リラのO/Nスワップが一時1300%まで上昇しました。
これにより海外投資家のリラ売りが実質的に不可能になったことで、その代々手段として株価指数でのリスク回避の動きがみられトルコイスタンブール100株価指数で急激な下落が起こりました。
国内の一部のFX業者でも流動性が低下したことにより、通常時の10倍以上のスプレッドを数日間提示していた業者も見られました。地方選を直前にしてこの拡大スプレッドで泣く泣く決済させることとなった投資家の方も多いのではないでしょうか。
選挙の結果としてサプライズはなく無事にAKPの勝利という形になりました。しかし為替の方は安心感からトルコリラが買われることもなく、セルザファクトで売られることもなくほぼ無風といった反応でした。
しかし三大都市と呼ばれる首都アンカラ・イスタンブール・イズミルではAKPの敗北が決定し、特にAKPが勝利すると予想されていたイスタンブールでも大番狂わせで与党が負けてしまったことに為替が反応しました。
世界の投資家やアナリストからは厳しい目を向けられていたエルドアン大統領ですが、国内での信頼は厚いと思いきやそうでもなかったようですね。やはりインフレ&通貨安で国民の生活は相当苦しくなっているのでしょう。
トルコ統一選挙後の出来事
そんなトルコリラですが選挙前に割りこんだ20円を回復できず、ここしばらくは18-19円台に落ち着いています。
不安要素が尽きないトルコですが、高止まりしているインフレ率・選挙で与党敗北による改革の遅れ・ロシア新兵器購入で米国との険悪なムードと直近ではこのような悪材料がニュースで取り上げられています。
そして市長選の結果に異議を唱える大統領から再集計の指示を受けていたトルコ選挙管理委員会ですが、トルコ東南部の8つの都市において選挙で勝利した候補者の当選を取り消し2位を繰り上げ認定したようです。
取り消された8名の当選者は全てクルド系であり、繰り上げ認定された8名はすべてエルドアン陣営であるAKP の党員とのことです。選挙の運営陣まで大統領の圧力下に置かれているのはさすが独裁国家ですね。