現在のトルコリラマーケット

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政策金利 --%

直近の発表予定 トルコ経済指標

  • 2019/12/13(金) 16:00 10月鉱工業生産(前月比)
  • 2019/12/11(水) 16:00 10月経常収支
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 レポート

6月のトルコリラ相場の動向

6月の最初の週はラマダン(断食)明けの砂糖祭でトルコ市場は1週間休場でした。その休場の間にトルコリラが急落するかもしれないと考えられていて、トルコリラは軟調な展開でしたが、米中貿易摩擦の激化で経済が停滞するとの思惑で原油価格が下がり、他通貨が円に対して値下がりする中、逆行してトルコリラは急騰しました。

トルコリラが急騰の背景

砂糖祭りで、トルコは国だけでなく民間も休日になり、中央銀行や国営銀行も休日でトルコリラを買い支えることができない状態でした。
週間でトルコリラを買い支える介入が無いことがわかっていたため、トルコリラの売り仕掛けが入りやすい状態でした。
しかし、逆に民間も休日ということで、民間側からのトルコリラの売りもなく、トルコリラは大きく下げる展開にはなりませんでした。そんな中、貿易摩擦で原油の需要後退の思惑で原油が値下がりしているのを好感して、トルコリラが買われ始めて、売り方の買戻しも入ってトルコリラは急騰して19円台を回復しました。
19円台を超えるとさすがに買われ過ぎと判断され、売り方の買戻しも終わって、トルコリラは下げだして、19円を割れて取引は終了しました。

原油安でトルコリラが買われる理由

原油安でトルコリラが買われる理由ですが、トルコは石油輸入国で、原油が値下がりすればトルコの貿易赤字も減るからトルコリラが買われます。
ただ原油安は国内の物価上昇率を下げますから、インフレ率が下がれば中央銀行が利下げを行いやすくなるため、長期的にはトルコリラ安になってきます。
ただ中央銀行が利下げをするほど物価上昇率が沈静化するとは限らないので、目先の貿易赤字減少の影響を考慮して、トルコリラが買われます。

米国雇用統計の悪化でトルコリラも売られる

6月7日のアメリカでもっとも影響のあるアメリカの雇用統計が、予想が19.0万人に対して7.5万人と大幅に雇用者数が少なかったことを嫌気して、全般的にリスクオフで円買いが進み、トルコリラも円に対して値下がりしました。
先に15時に発表されたドイツの鉱工業生産も予想より悪く、EUの軽座の失速もトルコリラを下押す材料になっています。
10日の中国の貿易収支の予想を上回る黒字の増加で、為替全般は一応持ち直しましたが、頭を抑えられる感じで売りに押され、トルコリラも下げに転じました。

トルコ中央銀行の政策金利は年24.0%を維持発表でトルコリラは売られる

12日に発表になったトルコ中央銀行の政策金利とされている1週間物レポ金利が年24.0%と変わらずで、利下げ予想をして売っていた人たちの買戻しで、トルコリラは一旦上げるが売りに押されて、トルコリラは下げて終わりました。
13日はオーストラリアの失業率が悪化で、豪ドルが大きく下げて地合いの悪さから全般的にリスクオフで円高になり、トルコリラも売られました。

ムーディーズのトルコの信用格付けの引き下げを嫌気してトルコリラが売られる

14日に大手格付け会社ムーディーズが、トルコの信用格付けを「Ba3」から「B1」へと1段階引き下げたのを嫌気して、トルコリラは売られました。
ムーディーズは、国際収支の悪化でトルコは債務不履行の可能性が高まっていると判断しました。この発表を受けてトルコリラはデフォルトリスクの高まりで売られました。

トルコ財務省はムーディーズの発表に反論して、国内のインフレ率の低下や観光収入の増加などの前向きな兆候を無視しているとムーディーズの公平性や客観性を疑問視していると、改めてトルコ経済は好調だと訴えています。さらにトルコのチャブシオール外相がアメリカが経済制裁を行うなら、トルコ側も対抗措置を行うことを発言して、トルコリラは急落しました。

悪材料で下がってもトルコリラは上昇する展開に

17日にトルコの失業率が発表されて、14.1%と予想の14.0%よりも悪かったのでトルコリラは売られましたが、その後買い戻され前日比プラスで引けました。
19日には、アメリカが、トルコがロシアから対空ミサイルの購入を止めないため、追加で制裁を行うとの報道でトルコリラが急落しましたが、その後買い戻されて前日比プラスで引けました。
20日にもアメリカの政府高官が、トルコへの制裁の実現性が高いことが報道されトルコリラは急落しましたが、この時も買戻しされています。

制裁が実行だとトルコ経済にかなり悪影響を及ぼすことに

どのような経済制裁が行われるかですが、ロシアに対して行っている経済制裁をトルコにも同じように行おうとしています。
アメリカの経済制裁でロシアがかなり苦境に陥っていますが、同じようなことをトルコにした場合は、トルコ経済がマヒする恐れがあり、トルコリラはかなり下げることになるでしょう。
具体的なものとしてトルコの軍事企業をロシアと同じ敵性国の企業の扱いで、銀行取引を停止して、資金の流れを断ちます。軍事関連以外の企業でも銀行取引停止などの処分を下されて、トルコ経済にかなりの影響を及ぼすことになります。

イスタンブール市長選の再選挙の与党敗北でトルコリラは買われるも下げて終わる

23日、イスタンブールの市長選挙の再投票が行われて、エルドアン大統領が率いる公正発展党(AKP)が最大野党の共和人民党(CHP)に敗北して、イマモール氏が当選しました。
市場はこれを好感してトルコリラは買われて、一時18円80銭まで上昇しました。その後は利食いに押されて、マイナスに転じて終わりました。
G20を控えて米中の貿易交渉の進展に期待してトルコリラも買われる

26日は、G20後の米中首脳会談で貿易交渉の進展を期待して全般的に円安に振れて、トルコリラも円に対して値上がりしました。
ただ他通貨に対してトルコリラは上げ幅が小さく、ロシアからの武器購入によるアメリカとの摩擦が依然解消されていないのが、トルコリラにとって重荷になっています。アメリカがトルコに対して経済制裁を行う可能性がまだ残っていて、市場はG20の合間にエルドアン大統領とトランプ大統領との対談の結果を待っている状態です。

最悪期を脱出したとはまだ言えないトルコリラ

5月の17円台から回復しつつあるトルコリラ円ですが、いろいろ問題が山積みで反転後は伸び悩んでいます。
ロシアからの武器購入問題で、トルコとアメリカは対立したままで、エルドアン大統領とトランプ大統領との対談で、アメリカは経済制裁を行わないとのことですが必ずではないとの報道もあり、予断は許されない状態が続きます。

トルコが経済制裁を受ければ、トルコ経済が悪化して中央銀行は必然的に利下げをすることになり、トルコリラの値下がりは確実になります。
トルコ側がロシアから地対空ミサイルの購入を断念した場合は、ロシアがトルコへの配慮をしなくなり、シリアでの軍事的緊張が高まり、シリア内のクルド人武装勢力が国内への流入が増えてきます。そうなると国内のクルド人勢力の活動が活発になり、結果的に国内が不安になりトルコ側の軍事的負担が増えることになります。

アメリカとロシアのどちら側についても、トルコにとって経済的負担が大きいことには変わりがなく、エルドアン大統領が政情不安を問題視して経済を犠牲にしてでもロシア側と手を組みたいと思っている間は、アメリカからの経済制裁がいつ始まるかはわかりません。
トルコリラで取引をする場合は、このようなリスクを念頭に置いた上で行いましょう。

編集部
ライター:編集部
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