現在のトルコリラマーケット

BID(売値) --.---
ASK(買値) --.---
政策金利 --%

直近の発表予定 トルコ経済指標

  • 2019/11/14(木) 16:00 9月鉱工業生産(前月比)
  • 2019/11/12(火) 16:00 9月経常収支
もっと見る
 レポート

8月のトルコリラ相場の動向

8月のトルコリラ相場は7月の強気の流れから一転して弱気に変わりました。為替相場が引き続きリスクオフで、トルコリラも他の通貨に引っ張られるように下げていきました。1日の高値19円59銭から18円81銭まで下げました。
しかしトルコリラは高金利で他通貨よりも堅調だったから、逃避通貨として買いが入り、キャリートレードでの買いも入って、トルコリラは6日から値を戻しました。

米中貿易協議が進展しないためリスクオフが続く

1日にトランプ大統領が中国からの3000億ドル分の輸入品に10%の追加関税をかけると表明しました。3000億ドルは中国からの輸入額のほとんどで、中国はこのアメリカの対応に反発して、アメリカからの農産物の輸入を停止しました。
この両者のやり取りのアメリカ経済への影響はかなり大きく、主要通貨が円に対して大きく売られて、トルコリラ円も19円を割り込むまで売られました。

インフレ率の改善が進まない

8月5日は7月消費者物価指数が前月比前年比ともに上昇していて、インフレ率が依然として改善していないことを示し、7月生産者物価指数が前月比マイナスでインフレ率の改善が進んでいますが、景気悪化の影響が出ていることを表していて、前年比ではいまだに20%を超える物価上昇を示していました。
生産者と消費者の物価指数のずれは輸入物価が影響していて、トルコリラの下げが輸入物価を上昇させて、消費者物価指数のインフレ率を悪化させているのが原因です。

為替相場の突如の急騰でトルコリラも買われる

リスクオフで主要通貨に合わせて売られていたトルコリラですが、13日に薄商いを狙った円売りで主要通貨が急騰、ストップロス取引を巻き込みながら上昇を続け、トルコリラも引きずられるように買われて、トルコリラは19円台を回復しました。
しかし14日は前日の上昇が買われ過ぎとの反動でトルコリラは下げます。15日はトルコの失業率が発表されて前月よりも改善されていたためトルコリラは買われます。
次の16日には6月鉱工業生産 (前年比)が発表されて、予想よりも悪化していたけどトルコリラの下げ幅は小さく、19円台を維持して引けました。

19日からトルコリラは下がる展開に

19日からトルコリラは上値が重く下げていきました。19日にトルコ中銀が、民間銀行に対して、一定条件を満たした銀行には法定準備率の引き下げを行うと発表。この発表を嫌気しトルコリラは急落、18円48銭まで値を下げました。
その後も21日に反発しますが、為替相場が軟調で引きずられるように下げています。法定準備率の引き下げはマネーサプライの増加を意味していて、市場に大量のトルコリラが流出して、トルコリラの価値が下がると想定して、トルコリラが売られたというわけです。

トルコ中銀の不可解な金融緩和

トルコ中銀が一定条件を満たした銀行には法定準備率の引き下げを行うと発表しましたが、その条件が貸し出しを年10%以上増加させた場合と、不可解な条件を出してきたのが理解に苦しむところです。
まず法定準備率とは銀行が貸し出しをし過ぎて預金者に払い戻しができなくならないように中央銀行が、準備預金として中央銀行に預金の一部を預けさせる制度があり、その比率のことを言います。今ではマネーサプライの調節に使われるようになり、銀行の貸し出しをコントロールするのが法定準備率の役目になっています。
それなのにトルコ中銀自身が、その機能を自らマヒさせて、貸し出しの増加をさせようとしています。本来の貸し出し増加が目的ならば先に法定準備率を引き下げて、貸し出しを増やさせそうとするはずです。しかしなぜそうしなかったのかが疑問に残ります。

この不可解な金融緩和は、単純に貸し出しを増やし過ぎるとやばい銀行もあるから、余裕のある銀行だけをターゲットにした方法と推測しています。
今の法定準備率で貸出比率を伸ばせる銀行なら、経営がやばくなって取り付け騒ぎにならないだろうと、法定準備率を下げることができるということです。
いつものごとくエルドアン大統領が、民間銀行の貸し出しを増やすように中央銀行から働きかけろとトルコ中銀に圧力をかけて、法定準備率を下げて全銀行が貸し出しを増やしたら、危ない銀行が出るかもしれないと、トルコ中銀としては制限を設けたわけです。貸し出しを増やすとご褒美として、法定準備率を下げるという仕組みですが、貸し出しを伸ばせないほど貸し出しを行っている銀行には、まったくご褒美が入らないわけで、意外とゆがんだ優遇策になっています。
この金融緩和でどれだけ貸し出しが増えるかわかりませんが、市場はマネーサプライが増加してインフレが進むと受け止めました。その結果トルコリラがさがることになりました。

今後の利下げも想定

トルコ中銀が金融緩和を行うということは、今度の金融政策決定会合で利下げを行うことが想定されます。
実際に9月12日の金融政策決定会合で3.25%の利下げが行われて、政策金利は16.50%まで引き下げられました。利下げはこれで打ち止めと思われがちですが、エルドアン大統領は、一桁台まで利下げを行うことを望むと声明を発表していて、実際にそこまで引き下げるようにトルコ中銀に圧力をかけてきます。
エルドアン大統領的には、インフレに対しては利下げで生産性が向上すれば解消すると思っていまして、トルコ中銀の金融政策にはずっと批判的でした。トルコ中銀は、トルコリラ安を食い止めるために大幅な利上げを行ってきていて、利下げをしてもトルコリラが下がらなくなったから、トルコリラ安を食い止めるという理由もなく、インフレの鎮静化だけの理由だけでは、エルドアン大統領を説得するのは不可能で、今後も利下げが行われるのは確実です。

8月26日は、米中も貿易摩擦が激化で、アメリカが対中関税をさらに引き上げるとのことで、主要通貨に対して円高が加速しました。トルコリラも主要通貨に合わせて売られて、ずっと下げていて買い手が居ない状態で、下げが加速して一時前日比で2円以上下落の16円22銭まで下げました。
このレートはフラッシュのように一瞬でフラッシュレートと呼ばれています。フラッシュレートは、ここ最近では正月の時の薄商い時を狙った仕掛けで主要通貨に発生しました。その時は、トルコリラはフラッシュレートにはならなかったので、もうトルコリラはフラッシュレートを示現しないと思われがちでしたが、今回は逆にトルコリラだけがフラッシュレートを示現しました。
このフラッシュレートが出た後は売りが出尽くしになるで、どの通貨も急激に上昇します。トルコリラも買われて前日終値を上回るほど買われて陽線で終わっています。主要通貨も上昇して陽線で終わりました。26日が底ということで、トルコリラは上昇トレンドに入りました。

しばらく上昇トレンドが続

トルコリラは日足の移動平均線がゴールデンクロスになっていて、しばらく上昇トレンドが続きます。利下げは本来なら売り材料でしたが、利下げをしても下がるどころかむしろ買われるので、アメリカからの経済制裁も無い以上、トルコリラはこれからじわじわと買われていくでしょう。
ただ主要通貨の上昇が限界に来ていますから、主要通貨が下げに転じれば、それに引っ張られるようにトルコリラも売られる可能性が高く、トルコリラが上昇するかしないかは、主要通貨のトレンド次第といったところです。

編集部
ライター:編集部
トルコリラスワップ投資の魅力やFX各社のスワップポイント比較、トルコ経済やトルコ在住者の現地レポートまで、トルコリラでFXを始めるために必要な情報を配信しています。