現在のトルコリラマーケット

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直近の発表予定 トルコ経済指標

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 レポート

3月のトルコリラ相場の動向

3月のトルコリラは、2月5日に付けた21円17銭の高値からの下げを引き継ぎ、ずっと軟調な相場展開でした。
トルコの中央銀行の利上げを想定した買いが入っていたけど、トルコの経済情勢の悪化で、利上げは見送られ逆に利下げの可能性が出てきたため、トルコリラに買いが入らなくなりました。

それでも3月8日には自律反発の買いが入り、トルコリラは堅調に推移しましたが、18日から下げに転じて3月22日にトルコリラは20円22銭から18円75銭まで急落しました。

トルコリラが下げ始めた理由

トルコリラが下げ始めた理由として、まずトルコ情勢の悪化があります。
3月8日トルコはロシアから地対空ミサイルS-400の購入を発表しました。
ミサイルと言ってもどこかを攻撃するとかではなく、あくまでも防衛のミサイルで地域情勢が緊迫するものでは無いです。

しかしアメリカはこれを大きな問題と認識します。以前からトルコとアメリカはシリアのクルド人勢力の扱いで対立していました。トルコにしてみれば、シリアのクルド人勢力は国内のクルド人勢力とつながっていますから、シリア側のクルド人勢力が支援されれば、その分国内のクルド人勢力も勢いづくので、アメリカのシリアのクルド人勢力の支援には反対をしていました。

このアメリカとの関係悪化が、トルコをロシア寄りに変えていきました。対空ミサイルは単独では使えなくて、レーダーシステムとセットになっています。
だからロシアの対空ミサイルを使うには、トルコの防空体制をすべてロシア製に置き換えることになります。このトルコのロシア寄りの姿勢にアメリカが反発して戦闘機F35の売却を凍結します。凍結の判断は、最新鋭戦闘機F35の情報がロシアに流れるのを恐れての判断です。
このトルコとアメリカの関係悪化で、トルコ経済が失速すると予測されてトルコリラがじり下げになる展開になりました。
3月18日にはトランプ政権が、シリア駐留米軍が1000名残留する方針と報じられて、トルコリラのトレンドが下げに転じました。

シリア駐留米軍残留がトルコ経済になぜ悪影響なのか

トルコとアメリカの関係の悪化の原因は、クルド人率いるクルディスタン労働者党(PKK)が理由でした。
トルコはクルディスタン労働者党(PKK)と激しい武力闘争を繰り返していて、トルコ側はシリアやイラクのクルド人居住区を攻撃するなどして、クルディスタン労働者党(PKK)側からのテロ行為で、トルコ経済に悪影響を及ぼしていました。

アメリカ側はイラクやシリアでのクルド人側の役割を重視し、クルド人を守ろうとしていたため、トルコが反発して、トルコとアメリカの関係が悪化していました。
今回のシリア駐留米軍の残留で、アメリカ側がシリアとトルコ側に安全地帯を設置する意思があることを示し、本来ならトルコの政情不安を改善させることになりトルコ側に有利になるはずですが、アメリカ側はクルド人勢力を保護しているため、クルド人武装勢力のトルコ・シリア間の行き来が自由になり、シリアから武装勢力がトルコに入りやすくなって、トルコの政情不安を高めることになります。政情不安が高まってテロ行為が頻発すればトルコ経済に悪影響を及ぼすことは必至で必然的にトルコリラが弱気に転じて売られることになりました。

3月22日のトルコリラの急落の直接の理由

3月31日にトルコで統一地方選挙が行われることとなり、選挙結果でエルドアン大統領の信任が問われるということで、注目度が高い選挙になっていました。
エルドアン大統領のトルコの国民の信任が低いという結果になれば、エルドアン大統領の退陣が予測されて、新大統領によるトルコの政策でトルコ経済が回復に向かうとの思惑でのトルコリラ買いもあって、3月8日に一旦底を打ち、じわじわと買われますが売り圧力も強く、下げに転じました。3月20日に売りが縮小して買い戻しも入って、再び上昇に転じますが戻り待ちの売りもあって、また値を崩し下げていきました。

3月22日はドイツの製造業購買担当者景気指数(PMI)の発表があって、結果が予想よりもかなり悪く、世界的な景気の悪化を予測して、ユーロだけでなく主な主要通貨も急落しました。
トルコリラもEUの景気がトルコ経済に与える影響が大きいため、トルコリラはユーロ以上に急落しました。
この時トルコの統一地方選挙で、与党の公正発展党(AKP)率いる与党連合が敗北してエルドアン大統領の退陣を想定していた人たちの投げ売りが、トルコリラの下げを加速させました。この下げでトルコリラは短時間で1円以上急落して、安値圏で引けました。

しかし月曜日の3月25日には売られ過ぎからの買いが入って、さらに売り方の買戻しが上げを急加速させて、他通貨が弱い中、トルコリラは急騰して、金曜日の下げの半分以上を戻します。
しかも翌日には買いの勢いが衰えず20円67銭と1円以上急騰して、3月6日の水準にまで戻しました。27日は高値更新後は勢いが続かず、下げに転じます。しかし買いの勢いが残っていて、大きく下げた後買戻しが入って急速に値を戻します。

それでも前日比プラスに転じられなかったことから、28日のトルコリラは大きく窓を開けて寄り付きから安く始まります。買いの勢いが残っていて20円台まで回復しますが、売りに押されて再び20円台を割り込んで、その後買い戻しが入るも20円台を割れて引けました。
22日の米国市場で短期金利が長期金利を上回る逆イールドになったことから、トルコの主要輸出先の米国の景気が後退すると予測されてのトルコリラ売りが米国時間での売りを加速させました。

売り方の買戻しが無いとトルコリラは上がらない状態

3月のトルコリラはずっと下降トレンドで、上昇に転じても再度売りに押されています。
上昇の主力が売り方の買戻しと、新規の買いの勢いが弱く売りに押されて、ずるずると値を下げました。

陽転して上に向かっても移動平均線の壁を抜けることができず、決済の売りや新規の売りに押されて上髭を形成しての陰線での引けになっています。
トルコリラを買う材料としては、中央銀行の利上げ期待ですが、エルドアン大統領が景況悪化を恐れて、中央銀行に圧力をかけて利上げを阻止しているため、利上げの可能性が低く、インフレ率の低下も利上げ後退を後押しして、トルコリラの買い意欲を減退させています。

中央銀行の利上げ以外トルコリラを買う材料が無く、利上げの条件として中央銀行の利上げを牽制しているエルドアン大統領の政策転換で、政策転換をさせられることが期待できるトルコの統一地方選挙の結果待ちとなりました。

売り方の買戻しが無いとトルコリラは上がらない状態

統一地方選挙は、トルコの30の主要都市の市長の選挙を含んでいて、エルドアン大統領になってから初めての統一地方選挙ということで、エルドアン大統領の信任が問われる選挙の色合いが強くなっています。
この選挙でエルドアン大統領が率いる与党の公正発展党(AKP)が敗北すれば、エルドアン大統領の政策にトルコ国民が反対をしていることを意味していて、エルドアン大統領の再選が危ぶまれることになります。
エルドアン大統領が大統領選で敗北して野党から新大統領が出れば、トルコの中央銀行も利上げが行いやすくなります。エルドアン大統領も大統領選での再選を望んでいるため、選挙結果によっては大幅に政策を変更することが確実で、高いインフレ率を下げるための利上げを承認する方向に切り替えることが予想されます。

地方選挙の投票日が3月31日ということで、3月22日の急落後は27日28日と売られて、29日も下に窓を開けて下げたトルコリラも、与党の苦戦予想が報じられると利上げ期待から買いが入り、トルコリラは上昇に転じました。

編集部
ライター:編集部
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