現在のトルコリラマーケット

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直近の発表予定 トルコ経済指標

  • 2019/12/13(金) 16:00 10月鉱工業生産(前月比)
  • 2019/12/11(水) 16:00 10月経常収支
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 レポート

5月のトルコリラ相場の動向

5月のトルコリラ相場は、日本がゴールデンウィークの10連休中ということで、正月休みの時の急落の再現が警戒され、売りが落ち着きながらも大きく買いあがる動きもなく、無事に終わりそうに思える中、5月6日の月曜日に寄り付きから大きく下げて始まりました。

トランプ大統領が中国からの輸入品の関税を10%から25%に引き上げると発言 5月6日の寄り付きから大きく下げて始まった理由は、5日にアメリカのトランプ大統領が、中国との貿易交渉が進まないことに怒りを発し、2000億ドル相当の中国からの輸入品に対して、現在の10%から25%にまで関税を引き上げると発言しました。他の関税を課していない輸入品に対しても、25%の関税を課すことを考えているとのことで、世界経済への悪影響を懸念して、リスク回避で世界全体での円買いムードになりました。

関税引き上げがどのように影響するのか?

アメリカが関税を引き上げるとどのような影響が出るかというと、まず中国からの輸入品が売れなくなり、中国経済が減速します。さらにアメリカの消費者は関税分購買力が減りますから、全体的に消費が減ります。単純にアメリカが増税をしたようなもので、増税が景気に悪影響を及ぼすのと同じ効果になります。このアメリカの動きに中国が反発して報復関税でアメリカからの輸入品の関税を引き上げればダブルで世界経済に影響を与えるわけで、市場関係者はこれを嫌気してリスク回避の円買いに走りました。

トルコリラは年初来安値を更新するも国営銀行の介入でトルコリラは急反発

全般的に円高が進む中、トルコリラは大きく売られました。大きな理由として、5月8日にイスタンブールの市長選について、トルコの最高選挙管理委員会(YSK)は選挙結果を無効として、再選挙をする決定を下しました。最高選挙管理員会は、2度目の再集計要請を却下するなど、市長選挙はもう野党の勝利で決定していたはずなのに、いきなりの方針変更に市場は大きく反応して、トルコリラを大きく売り込み、5月9日に17円48銭と年初来安値を更新しました。その後は中央銀行が金融引き締めで1週間レポの入札を行わず、市場に資金を供給しないことを発表。これを受けてトルコリラは買い戻され、引けは17円69銭と20銭以上値を戻しました。5月10日にはトルコの国営銀行数行が、トルコリラ安を止めるために、米ドル売りトルコリラ買いの市場介入を行ったとの報道で、トルコリラは急反発しました。

国営銀行が市場介入を行った理由

ここで注意しておきたいところは、国営銀行と中央銀行は全く別物であることです。国営銀行とは普通の銀行ですが国が管理をしているだけで、通貨や金利への決定権は全く無いです。さらに今回の市場介入に中央銀行は全く関与していません。中央銀行はただこのことを念頭に置きながら詳しく説明していきます。まず国営銀行数行がトルコリラ安に歯止めをかけるために米ドル売りリラ買いを行ったのは、トルコの財務大臣の指示からだと思われます。国営銀行ですから、政府の指示が無ければ動けないはずです。まして数行となれば財務大臣の指示が無ければできないでしょう。この国営銀行ということで、国家としてトルコリラ安を容認しないとのメッセージとして、市場関係者たちは中央銀行の意向ではないとしても、エルドアン大統領がこれ以上のトルコリラ安を容認していないと判断して、トルコリラ買いを始めました。

米中貿易摩擦の激化でトルコリラも売られる

5月13日は、中国がアメリカの関税措置に対抗して、報復でアメリカからの6000億ドル相当の輸入品に対して最大25%の追加関税をかけると通告。市場はこの追加関税で米中貿易摩擦の激化を予想して、寄りからリスク回避で円が大きく買われる展開になりました。トルコリラも同時に売られて、10日に回復した18円台を割り込みました。しかし売りは続かず、引けでは18円台を回復しました。翌日の14日から今まであった断続的な売りが無くなって、トルコリラは売り方の買戻しで値を戻し始めました。しかし買戻しも20日までで、21日から下げに転じました。

ロシアと地対空ミサイルを共同開発するとのニュースは材料視されず

エルドアン大統領は、18日にロシアの地対空ミサイルS-400 を購入後、次期地対空ミサイルS-500 をロシアと共同開発すると発言しました。エルドアン大統領は「もう決まった話だ。絶対後戻りしない」と強調して、アメリカとの関係改善が行われないことが明確になりましたが、市場では材料視されずにトルコリラは買われました。材料視されなかった理由として、中央銀行は金融引き締めで政府は介入と通貨防衛が国家ぐるみで行われているから、トルコリラが売りづらく、アメリカとの関係悪化はすでに織り込まれていて、目新しいこともないから、市場に対してのインパクトが無くて、材料視されませんでした。それでもアメリカとの関係は重要視されていて、その後のG20後のアメリカとの対話が発表されるとトルコリラは急伸しました。

トルコ中銀が21日に1週間物レポ入札を金利24%で再開してトルコリラが売られる

トルコの中央銀行は、9日から中止していた1週間物レポ入札を金利24%で再開しました。中止していた時の1週間物の金利が25.5%となっていたため、1.5%の利下げになり、トルコリラは再度売られることになりました。中央銀行としてはリラ安を止めたいところですが、トルコ経済の減速も避けたいから、実質利下げになる1週間物レポ入札の入札を再開することにしました。この中央銀行の行動から考えて、トルコリラが上昇すれば利下げを行う可能性が高いと言えます。ただ基準は米ドルですから、トルコリラに合わせて米ドルが上がっていれば、利下げは行われず、逆にトルコリラが上がっている米ドルが下がっていれば、利下げが行われる可能性が高くなります。

アメリカ商務省が相殺関税健闘で全体的に円高が進行

3日にアメリカ商務省が、米ドルに対して自国通貨の為替レートを低い水準に誘導している国に対して、相殺関税を課すルールの検討に入っていることを発表。中国以外の通貨安を容認している国にも高関税を課すということで、さらなる世界経済の減速を予想されて、全般的に円高が進みました。トルコリラも下げて始まり、トルコも通貨安を容認していると判断されて相殺関税を課されそうです。

アメリカとの対話でトルコリラが急騰

トルコが29日夜、エルドアン大統領とトランプ大統領が電話で対談をしたと発表。その報道を受けて30日にトルコリラが急騰して、1ドル=5リラ台まで回復しました。トルコ報道官によると大阪でのG20サミットの後の会談に合意したとのことで、トルコとアメリカとの関係改善に期待して、トルコリラが買われました。24日からトルコリラは反転して上昇していましたから、この好材料に大きく反応してトルコリラは大きく買われることになりました。

今後はG20後の会談の結果待ちに

5月は年初来安値の17円48銭を付けたトルコリラですが、これ以上の下げを認めないとのトルコ側の意向を受けて、リラ安は止まりました。しかしトルコ情勢の変化はなく、G20後の会談の結果次第では、再び下げに転じるかもしれません。エルドアン大統領は強気ですから、会談は物別れになる可能性が高く、トルコリラを持ち続けるのはリスクが高いです。しかし、トルコ側の通貨防衛もあって、17円台を割り込むまで下げることはないでしょう。実際どうなるかはわからず、とりあえず会談の結果を待ち続けるだけです。

編集部
ライター:編集部
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