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 トルコ現地レポート

断食月が始まりました

日本ではラマダン、トルコではラマザン(Ramazan)という名称で知られる断食月が今年は5月6日(月)から始まりました。

断食月(ラマザン)には何をする?

断食月とは、イスラム暦の9番目の月にあたり、1年に1度、1ヶ月間(30日間)はイスラムの教えのもと断食を行います。

この期間、太陽が昇ってから沈むまでの時間帯は飲食を控えます。正確には飲み物、食べ物だけでなくタバコを吸ったり意図的に唾を飲み込んだりすることも許されません。また、性行為や争い事も禁じられています。そしてたとえ日没後であっても断食月にあたる30日間は禁酒という教えもあります。

普段はモスク(イスラム教徒の礼拝所)に行かない人も断食期間中だけはイスラム教徒にとって神聖とされる金曜日の礼拝にモスクへ行ってお祈りを捧げるという人もいます。それだけこの30日間はイスラム教徒としての自覚が生まれる時期となるのです。

普段はモスク(イスラム教徒の礼拝所)に行かない人も断食期間中だけはイスラム教徒にとって神聖とされる金曜日の礼拝にモスクへ行ってお祈りを捧げるという人もいます。それだけこの30日間はイスラム教徒としての自覚が生まれる時期となるのです。

なぜ断食をするの?

それはイスラム教徒の修行のひとつと考えられているからです。貧困者と同様に空腹の苦しさを味わい連帯感を強めると同時に飲食物の大切さを再確認することが目的です。イスラム教徒であることを誇りに思い、万人に対する思いやりや慈善という言葉を心に留め、哀れみの気持ちを持ち、悪徳行為や不正行為は行わないという態度を再度思い起こすための大切な期間と考えられています。

断食月の日程はいつ?

断食月の日程は毎年変わります。1年に1度なのですが、ここで言う1年は365日ではありません。1年354日という太陰暦(ヒジュラ暦/イスラム暦)によって計算されるため、現在私達が一般に使用している太陽暦とは異なり、断食月の日程は毎年11日ほど前倒しになります。

トルコでは断食が義務?

トルコ人のほとんどがイスラム教徒ですが、トルコでは断食をするかしないかは個人の判断となっているため、断食月に断食をしないトルコ人も少なくありません。また基本的に子供や老人、授乳する女性、病人等は断食をしなくてもよいとされています。 総体的に地方の田舎では断食をする習慣を持つ人達が多いのですが、都市部では断食しない人々の数が年々増加してきているようです。地域によって昼間はレストランやカフェが全て閉店しているところもありますが、都市部では普段と変わらず通常営業されています。

トルコのレストラン

日の出と日の入りの時間はどうやってわかる?

日の出と日の入りの時間が毎日変わるのはもちろんのことですが、日本の約2倍もある広大な土地を持つトルコでは都市によっても時間が随分と異なります。

断食月になると都市ごとに1カ月間の日の出と日の入りの時間表(ラマザン イムサーキイェシ Ramazan imsakiyesi)が作成され、役所などで手に入れることができます。しかし最近はインターネットでも簡単に時間を調べることができるので時間表の需要は年々減ってきているものの、やはり年配の方には時間表は重宝なもののようです。

日の出や日の入りの時間はモスクから流れるエザンと呼ばれるお祈りの声が合図となりますが、エザン以外にもテレビやラジオで都市ごとに国民に知らせるアナウンスが流れます。

こうして毎日時間を確認しながら30日間の断食が続くのです。

断食明けの食事はどんなもの?

日没になり断食時間が終わるエザンの合図によってようやくイフタル(İftar)と呼ばれる断食明けの食事をとることができます。長い時間空腹状態であるため、一気に食ベ始めてしまいそうですが、胃への負担を考えて常に軽い食事から始めます。

人によってはまず水や紅茶を飲んで一息入れます。食べ物から始める場合であっても最初はフルマ(Hurma)と呼ばれる干したナツメヤシやその他の干し果物を食べ、スープやメゼ (Meze)と呼ばれる前菜の数々、そしてピデと呼ばれる大きな丸いパンを時間をかけて食べ進め、その後ゆっくりとメインやデザートに移ります。

一般に断食期間中の食事は普段より豪華なメニューが取り揃えられます。お客さんを家に招待したり、外食したり、とにかく断食明けの夕食は特別なものとなるのです。ほとんどのレストランやホテルなどではイフタル ソフラス(断食明けの食事)として豪華なセットメニューを準備しているので毎晩あちらこちらで宴が続きます。

たとえ貧困家庭であってもたくさんの料理を食べてもらえるようにと、必ず市や町の主催でイフタルのための食事が無料で提供されます。公園や広場にテントを張り、たくさんのテーブルや椅子を用意して大鍋に調理された料理を配給していきます。

日の出前から朝ごはん?

夜明け前の食事はサフル(Sahur)と呼ばれるもので、真っ暗なうちに起きあがり、これから始まる断食時間中、空腹にならないように準備をします。普段は朝食としてパンとチーズとオリーブだけと簡単に済ませている人も断食月の間はゆで卵やパイ、クッキーなど特に満腹感を持続できるものを食べていきます。

日の出の時間はエザンで知らされますが朝食を食べるためには早起きが必要です。目覚まし時計がなかった頃、日の出時間の約1時間半から1時間前になるとサフルのための目覚まし役としてダブルジュ(Davulcu)と呼ばれる太鼓奏者達が街に繰り出します。大きな音で太鼓を打ちトルコ民謡の一節を歌いながら街を練り歩き、眠っている人を起こす役目を果たします。これは1812年から続く伝統的な風習なのですが、最近では騒音として禁止する地区もいくつかあるようです。   

昼間の様子は?

断食をしているみなさんは驚くほど普通に生活していらっしゃいます。断食が始まってすぐの数日は時間の流れや体調を整えるのに当然のことながら少し違和感があるようですが、すぐに慣れて普段と全く変わらぬ生活を過ごされます。

また、断食月を楽しく過ごせるようにと、役所やショッピングセンター、ホテルやレストランなどが主催して娯楽を目的にさまざまな催し物が開催されます。特に週末になるとコンサートや劇、マジックショーやダンスなど大人も子供も一緒に楽しめる催しやフェスティバルが目白押し。賑やかで楽しい1ヶ月となるのです。

断食が終わったら?

30日間の長い断食期間が終わると3日間の祝日となります。ラマザン祭または砂糖祭と呼ばれる3日間は断食が明けたことを家族一緒に盛大にお祝いします。

楽しく、でも平穏に!

断食月に入ってようやく4分の1が過ぎました。断食月の期間中は皆さん大きな変化は求めません。例えば引越しや結婚式などは行わず、とにかく断食月が終わるまでなるべく楽しみながらも普段と変わらぬ生活を続けます。

トルコはいつも断食月になると賑やかな雰囲気の中にもどこか街全体が落ち着いた雰囲気になっています。

断食明けまであとしばらくはきっとみなさん平穏に過ごされるはず。今年のラマザン祭は6月4日から3日間。ラマザン祭以降また本当の意味での活気がトルコに戻ることでしょう。

Satomi
ライター:Satomi
トルコ在住18年の主婦。日本では伝えきれないトルコ現地からの記事をお伝えします。