現在のトルコリラマーケット

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政策金利 --%

直近の発表予定 トルコ経済指標

  • 2019/11/15(金) 16:00 8月失業率
  • 2019/11/14(木) 16:00 9月鉱工業生産(前月比)
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 トルコ現地レポート

トルコショック以降の物価やインフレについて在住者から報告

高いインフレ率

トルコリラ急落から数ヶ月。現在のトルコ市場や物価について在住者の目から見た感想や経験などを踏まえていくつかお伝えしたいと思います。

トルコは長年恒常的なインフレに苦しみ続けていました。ただ近年の経済は比較的安定し消費者物価指数は年間10%以下と、トルコにとっては非常に安定した数字を保っていたのです。

しかし2018年に入った頃からインフレ率は再びゆっくりと上昇し始めます。下記の消費者物価指数をご覧いただくとおわかりいただける通り、2018年8月のトルコリラ急落以降は前年同月比が25%前後と一気に上昇、その後も20%程度が続いています。

消費者物価指数(トルコ共和国中央銀行)
前年同月比 前月比
2019年4月 19.50 1.69
2019年3月 19.71 1.03
2019年2月 19.67 0.16
2019年1月 20.35 1.06
2018年12月 20.30 -0.40
2018年11月 21.62 -1.44
2018年10月 25.24 2.67
2018年9月 24.52 6.30
2018年8月 17.90 2.30
2018年7月 15.85 0.55
2018年6月 15.39 2.61
2018年5月 12.15 1.62
2018年4月 10.85 1.87

トルコリラ急落直後の国民の反応

トルコリラが暴落した直後、トルコ国民のみなさんは危機感を持ち家計を守るためにそれぞれ独自の対応をしていらっしゃいました。経験からなのか勝手な予想からなのかわかりませんが、かなり素早くいろいろな行動を取られていたようです。 たとえば、もっとトルコリラが下がるかもしれないとドル買いに走る人、政府が現金引き出しを規制するかもしれないとトルコリラをたくさん引き出す人、銀行がドル口座を凍結してしまうかもしれないとドル口座を解約する人、すぐに物が値上がりするはずだからと真っ先にスーパーマーケットに行き食料品や日用品を大量に買いだめする人、、、。とても興味深い光景でした。

家計を圧迫する物価上昇

トルコは輸入依存度が高いため、トルコリラ安になると物価上昇は必至です。そして予想通り物価上昇はまもなく始まりました。

まず家計を直撃したのは電気料金です。9月に家庭用電気料金がいきなり9%の値上げです。しかも翌月もさらに9%増、そしてまたその次の月もさらに9%増。3ヶ月連続の値上げにより2018年は1年間で31%の値上げ。天然ガスは27.7%の値上げとなったのです。

スーパーマーケットの商品に関しては、トルコリラ急落の日から2週間もすると全体的にじわじわと値上がりしているという実感を受け始めました。その後も買い物に行くたびに次から次へといろいろな商品が値上がり。便乗値上げなのではないかという印象がなきにしもあらずでしたが、最初の1〜2ヶ月で多くのものが値上げされ、その後も少しずつ確実に値上がりし続けています。

食品や日用雑貨の値上がり率は主婦感覚で言うならばこの1年で平均25〜50%くらい、物によっては2倍近くになったものもあります。 1年前のドルとリラの相場を見比べると、2018年5月1日時点で1ドルは4.06リラ、今年2019年5月1日時点では1ドル6.07リラですから食品や日用雑貨が50%あがるのも当然と言えば当然です。

価格据え置きの不思議

しかし消費者物価指数をみると、物価上昇率はそれほどではありません。実は値上がりしていないものもあります。

毎日の食生活に欠かせない主食のパン。各家庭では1日何本も消費されるのでパンの値上げは家計を直撃です。フランスパンを太らせて丸みを帯びたようなトルコパンの金額は政府によって決められます。トルコリラが下落して国民がパニックにならないように、政府はまず最初にトルコパンは当分値上げしいないと公約しました。約束通りトルコパンは今も去年同様1リラのまま。しかし現状はひとつのパンの大きさが明らかに縮小されています。

同様のことが他にもあります。箱入りや袋入りで販売されているものは値段は据え置きですがこちらも大きさや量が減らされているものがたくさんあります。

ドル、パン、ガソリンが物価上昇の目安

もうひとつ、重要なものとしてガソリンの値段があります。2018年5月1日時点で1リットル6.2リラ、2019年5月1日時点で7.18リラ。ドルの影響を直接受けるのでもっと値上がりしそうですが、なんとか最小限の値上げで留まっています。 トルコ人にとってドルの相場同様にパンとガソリンの値上げ率がいつも物価や経済状態の目安となっています。この2つの値上がりは国民感情を非常に揺さぶりますからきっと賢明な処置なのでしょう。

経済回復を期待して、、、

インフレに慣れてしまっているとは言え、去年のトルコリラ急落後は短期間で急激に物価が上昇したためにインフレを強く実感してしまいました。 今月に関しては特に大きな物価上昇はなくほぼ横ばい状態だったものの、まだまだ経済の不安材料が無きにしも非ず。イスタンブール市長選、アメリカとの関係などを見守るエコノミストの意見はバラバラ。

経済が良好になることを願いつつ、当分は油断せず財布の紐をしっかり結んでおきたいと思います。

Satomi
ライター:Satomi
トルコ在住18年の主婦。日本では伝えきれないトルコ現地からの記事をお伝えします。